縫製工場跡と古民家再生プロジェクト

2012年5月、工場予定地として案内された場は、震災前はたくさんの人が働いていた縫製工場でした。

この場所を改修して、新たな工場として生まれ変わらせる計画が始まりました。

また、人が住まなくなり、茅葺屋根が朽ちてしまっていた古民家とも、出逢いました。

傷んでしまっていますが、茅葺屋根の立派な古民家で、囲炉裏や土間、昔ながらの造りと、趣きある立派な梁が生きていました。

川内村に残る、貴重な日本の原風景を再生したい。

茅葺屋根の古民家を再生し、村の復興のシンボル、コミュニティースペースとして活用できるのではないかと考えました。

古民家を再生するプロジェクトそのものが、村に新たな動きを創りだしていきます。

2012年春、川内村へ

ルナウェア製造工場建設予定の福島県双葉郡川内村。

美しい川が流れる、自然豊かな村です。

2011年3月11日の東日本大震災を端緒として、福島原発事故が発生。

そのことにより、約3000名の被災者が、先祖代々から受け継ぎ、生まれ育った土地・川内村を、 離れることを余儀なくされました。

避難区域見直しを受け、いち早く「帰村宣言」を行った川内村は、ふるさとで再び暮らすために 全力を挙げて取り組まれています。

2012年4月13日、経済的に疲弊している被災地の雇用を生み出せないかと、建設候補地を探るべく、被災地を訪れました。

空港から一番近くて、帰村宣言が出ている村が川内村でした。

飛び込んだ村役場で笑顔で対応してくれる姿に打たれ、ここに工場を作りたいと考え、その日のうちに工場用地を案内してもらい、川内村での工場建設を即決しました。